薬膳では柿を食べるときは温燥と涼燥を考慮する
柿は9月頃から収穫がはじまります。秋が深まる頃には甘くて果肉がジューシーな「富有柿」「次郎柿」などの人気の品種が市場に出回り、その後もさらに様々な品種の柿が12月頃まで続きます。
秋の乾燥による嫌な症状を和らげる柿の実
柿が実る秋は乾燥の季節であり、乾いた空気は鼻をとおして「肺」を乾燥させます。すると、喉の乾燥、痛み、咳などの症状をおこしやすくなります。
柿の性質は寒性で肺や喉を潤す働きがあり、乾燥による嫌な症状を和らげてくれます。
寒性で清熱し、潤す働きで潤肺する効能により、から咳が続く、いつも身体が熱っぽい、顔が赤い人は小まめに食すことをおすすめします。
一方、冷え性でむくみが気になる人は体内の余分な水分を余計にため込んでしまうので体を温める飲み物またはスパイスを一緒につかうなど少し注意が必要です。
初秋は温燥、晩秋は涼燥
薬膳では初秋は夏の暑さのなごりがある「温燥」と、冬の訪れを感じる「涼燥」の二つにわけて考えます。このことから食べ方にも工夫が必要です。
「温燥」の時期は柿の寒性を利用したデザート。そして「涼燥」の時は寒性を和らげるためにクローブ、シナモン、生姜など、体を温めるスパイスを一緒に使うとよいでしょう。