1.温める

金木犀/桂花(キンモクセイ・ケイカ)

薬膳効果
温める・口臭予防

寒、痰の邪を追い払う

金木犀の独特の甘い香りは古くから花茶の材料や菓子の香りづけにも使われています。薬膳では金木犀(キンモクセイ)の花芽を乾燥させたものを桂花(ケイカ)とよび、『本草綱目』には木犀花(モクセイカ)の名で記載され薬効は花にあります。

寒さによる痛みを緩和

桂花は「温中散寒」の効能で芳しい香りが気の流れを促し上腹部をよく温めます。血の流れを促す「活血」の働きもあるので冷えからくる症状に悩みがある人は常備しておくとよいでしょう。

冷えによる腹痛や月経痛
桂花に生姜、小茴香(フェンネルシード)を加えて煎じて飲む。

桂花は、喉や胸のあたりがなんとなく苦しい、心理的に大きなストレスがかかった時の気滞によっておこる喉の違和感「梅核気(バイカクキ)」がある時にもおすすめです。

金木犀でつくる桂花茶、桂花酒

中国では桂花の香りをつけたお茶として福建安渓の桂花烏龍、四川北碚の桂花紅茶が有名です。
手作りをする時は、金木犀の花が咲く頃に五分咲き程の花を摘み日陰で乾燥させたあと、適量を紅茶や烏龍茶にブレンドすると濃厚で上品な香りのお茶に仕上がります。
お酒につけるとよい香りの桂花酒ができます。

咳止めや口臭予防にも

桂花茶や桂花酒を、毎日少しずつ飲むと痰多による咳を止め、口臭予防にも効果があります。

中医営養学

モクセイ科モクセイ属
辛甘/温
性味
心、肝、脾、胃
帰経
温中散寒、活血化瘀、理気
効能
胃寒腹痛、食欲不振、梅核気
適応

新華本草綱要

桂花:辛/温 有散寒破結、化痰止咳。用途:歯痛、閉経腹痛

桂花酒のつくり方

桂花陳酒(けいかちんしゅ)とは白ワインに金木犀の花を3年間漬け込んだ中国の酒で、楊貴妃が好んで飲んだといわれ香り高いお酒です。

金木犀で桂花陳酒を作る

桂花陳酒は桂花の薬膳効能に白ワインの滋陰(潤すはたらき)、安神(心をおちつかせる)の働きが加わります。

【作り方】
・白ワイン:750cc
・金木犀の花:カップ1
・氷砂糖:カップ1(お好みで調整)

乾燥桂花

桂花は乾燥した状態でも販売されています。