1.温める

山葵(ワサビ)

薬膳効果
発散発汗・食欲増進

ワサビは辛味の健胃薬

ワサビは日本料理で広く使用され、独特の辛味と香りが特徴であり、伝統的な薬草としても利用されてきました。
日本の『本草和名』には「和佐比」と記され、殺菌効果があるため、生ものと一緒に摂ると良いとされています。

お腹を温め胃腸機能を回復させる

ワサビの辛味は気を巡らし、胸のつかえ感を解消します。また胃腸を刺激して食欲を促し温性で胃腸を温めて胃腸機能を回復させ食欲を促します。

ワサビの香り

ワサビの精油(香り)はつまった鼻を良く通し、冷えを伴う咳や痰をおさめます。
ワサビの辛味はすりおろした時に空気と触れることで発揮されるので、細胞を細かくできるおろし器を使い、ゆっくり円を描くようにおろした方が辛味成分が活かされ美味しくできます。

中医営養学

アブラナ科ワサビ属
辛苦/温
性味
肺、胃
帰経
温中健胃、解表発汗、殺魚毒
効能
胃腸の冷え、食欲不振、気鬱
適応

東方栄養新書

辛甘/微温または平 脾胃、利九竅、安中開胃、止咳去痰

ワサビの薬味効果

薬味の効果!ワサビがもたらす健康への恩恵

ワサビは日本料理において薬味として添えられます。ワサビの薬味の働きや効能を考えてみました。

刺身とワサビ

刺身とワサビは最高に相性が良い組み合わせです。新鮮な魚介類を薄く切り、ワサビと醤油を添えていただくとワサビの辛味が魚の旨みを引き立て、爽やかな風味が口いっぱいに広がります。

薬味の視点からワサビを見れば「温中健胃」と「殺魚毒」。これは食中毒を防ぎ消化を促進させる役目を果たします。

魚は体を冷やす性質が多く生で食べる際には魚介毒に注意が必要です。しかし、その繊細で濃厚な味わいと、ワサビの刺激的な辛味が一体となり、食事をより楽しいものにしてくれることでしょう。おいしい料理と安心感を同時に味わえるのが刺身とワサビの魅力です。

そばとワサビ

蕎麦料理にもワサビが欠かせません。ざるそばやかけそばなど、蕎麦をいただく際にはワサビが織り成す香りと刺激が薬味として添えられます。

薬味の視点から見れば蕎麦の効能は「開胃消積」、つまり胃腸の機能を回復および活性化させ老廃物を体外に排出させる働きがあります。一方で、ワサビはお腹を心地よく温め、胃腸の機能を効果的に回復させる役割があります。

この相乗効果により、胸のつかえや胃もたれが解消され、食欲が促進され、まさに絶妙な組み合わせと言えるでしょう。蕎麦とワサビ、おいしい料理には心地よい調和があります。