1.温める

肉桂/桂枝/桂皮(シナモン・ニッケイ・ケイシ)

分類
クスノキ科ニッケイ属

熱性で血行をよくする働きがあるため冷えに悩む人に適しています。冷えで衰弱した体をあたため、冷えからくる痛み、下痢、月経痛、腹痛などを緩和します。脾胃を温めて消化機能を高めるので食欲不振な時もおすすめです。
ただし余分な熱が生じやすい、体質的に暑がり、月経過多の人にはむいていません。

シナモンはスリランカ、インドの甘味が強いシナモン。ベトナム南部と東ヒマラヤ山脈の辛味が強いカシアにわかれます。

肉桂(ニッケイ)と桂枝(ケイシ)の違い

樹皮のうち主に樹齢10年以上のケイから採取した幹の樹皮が「肉桂」「桂皮」、外皮をとったものを「桂心」、若枝または樹皮を「桂枝」と呼びます。これらのケイの樹皮、外皮のコルク層をかきとり内皮を乾燥させたのが香辛料がシナモンです。

採取する部位が異なるため効能にも違いがあります。

【温裏薬の肉桂】
幹の樹皮のため、体の深部、腹部周辺に働く
【解表薬の桂枝】
高所に育つ部分を使うので、体の表面、人の上部、頭部に働く
【ニッキ】
日本の温暖な地方で栽培されたシナ肉桂の根皮をニッキと呼び八ツ橋に香辛料として使われています

肉桂(ニッケイ)

期待される効果
辛甘/熱
性味
肺、心、脾、肝、膀胱
帰経
補火助陽、散寒止痛、温経通脈
効能
腎陽虚証、冷え性、虚寒の胃痛、しもやけ
適応

桂枝(ケイシ)

期待される効果
辛甘/温
性味
心、肺、膀胱
帰経
疏風散寒、発汗解表、温経通脈
効能
風寒邪気のカゼ、頭痛、悪寒発熱
適応

本草綱目

牡桂(桂枝):辛/温 治上気 咳逆 結気、喉痺、補中益気
久服すれば神に通じ、身を軽くし、老いず。治心痛、脇痛、脇風。

肉桂:甘辛/大熱 小毒、利肝肺気 治心腹寒熱、冷痰