ヨモギは薬用、食用、外用、灸、浴用、アロマに用途は広い
ヨモギは中国では艾葉(ガイヨウ)という名があり漢方薬でもあります。「艾(モグサ)」という字は無くなるという意味で病気をなくす葉としても知られており、薬用、食用、外用、灸、浴用、アロマにと広く用いられている身近な野草です。
春の気うつを克服する「よもぎ餅」
ヨモギは空き地などによく見られる野草で春に芽吹いた若苗は草餅の材料として使われます。餅は胃腸の働きを高め、ヨモギは余分な水分(湿邪)を除き胃腸の働きを回復する作用があります。
春は植物が発芽して芽を出すように人間の活動も多くなる季節ですが、気が高まりにくい状態にいると春の気鬱を招きやすくなります。これを防いでくれるのがヨモギです。ヨモギの気を高める作用と辛味の力で発散して気鬱を予防するので、よもぎ餅、よもぎ団子は春のウツウツした気分を克服する一品です。
子宮の冷え、生理(月経)トラブルに効果を発揮
寒さは身体を冷やし流れを止めてしまう性質があります。女性は生理のたびに血量が一時的に減少するため血の流れが弱まり冷えやすい体になりがちです。
ヨモギは体を温め、寒気を取り去り、痛みを和らげる「温経」「散寒」「止痛」の働きがあります。特におなか周辺を温めるので生理痛、婦人科系疾患の改善にも効果的で美肌効果もあがります。また子宮の冷えによる不妊治療にも役立ちます。
食用ならヨモギ茶、ヨモギスープ、浴用ならヨモギ蒸し、ヨモギ風呂と手軽に使うことができて肌の美容や健康に役立つ野草です。
ヨモギと相性のよい体質や症状
ヨモギは温性で気を昇らせる作用と降ろす作用がともにあるので気血の巡りを良くします。そのため「気滞血瘀」などの気の滞りによるうっ血や痛みの改善には向いており、また胃腸の働きを促進する働きもあるので胃腸の弱い方にもヨモギはむいています。
適さない体質は、日ごろから熱っぽく気が昇りやすい人「陰虚」の人はむいていないといえます。