なつめの薬膳効果と魅力|気血を補い、精神と心を整える
やわらかい甘みで、どこか懐かしい味わいの「なつめ」。薬膳では古くから、女性の味方ともいわれ、肉体と精神の両方に働きかける食材です。忙しさやストレスにさらされがちな現代こそ、マメに取り入れたい存在です。
ナツメは甘味があり、お腹の膨張感がおこりやすいので、消化促進のためには陳皮と一緒に使うとよいです。
なつめ効能|気血を補い、心(精神)をゆるめる
なつめの薬膳効能は、補中益気・養血安神・健脾。
胃腸(脾)をやさしく整えながら、気と血を補い、さらに精神を安定させる、土台を整えるような働きが特徴です。具体的には、次のような不調に向いています。
・胃腸が弱く、食欲がない
・軟便や疲れやすさ(四肢無力)
・貧血気味・顔色が悪い
・不眠や不安感、気持ちの落ち込み
なつめは即効性のある刺激的な食材ではなく、「気づけば調子が整っている」というタイプの穏やかな滋養食のため、日々の食事や、おやつとして、取り入れることが、いちばんの薬になります。
なつめの品種|古代から続く“棘のある実”の物語
「棗」という漢字が示すように、もともとのなつめは、枝に2本の棘をもつ「ヤマナツメ」が原種とされています。中国の古典である『礼記』や『詩経』に登場する棗も、このヤマナツメを指していると考えられています。
さらに、本草綱目には次のような記述があります。
「棗木は赤心、棘有り。山東・山西のものは肥大で甘美、薬用に優れる」
このことから、特に中国の山東・山西で採れるものが、薬用として優れた「大棗(たいそう)」とされてきました。
また、近年では棘のない無刺棗(むしそう)も存在し、食べやすさや栽培のしやすさから広く流通しています。
なつめとデーツの違い|似ているけれど、まったく別の植物
見た目や甘さが似ていることから混同されがちな「なつめ」と「デーツ(ナツメヤシ)」。この2つはまったく異なる植物です。
なつめ:クロウメモドキ科
デーツ(ナツメヤシ):ヤシ科

左:なつめ/右デーツ
デーツは中近東原産で、古代メソポタミアやエジプト文明の時代から栽培されてきた、非常に歴史のある食材です。一方、なつめは中国を中心に発展し、薬膳や漢方の世界で重用されてきました。
体への働きにも違いがあるので、目的に応じて使い分けることで、その魅力がより引き立ちます。
なつめ:胃腸を整える、気血を補う、精神安定
デーツ:胃腸を整える、気血を補う、肺を潤す


