6.補う

大棗(ナツメ・タイソウ)

薬膳効果
気血補強、精神安定

なつめの薬膳効果と魅力|気血を補い、精神と心を整える

やわらかい甘みで、どこか懐かしい味わいの「なつめ」。薬膳では古くから、女性の味方ともいわれ、肉体と精神の両方に働きかける食材です。忙しさやストレスにさらされがちな現代こそ、マメに取り入れたい存在です。
ナツメは甘味があり、お腹の膨張感がおこりやすいので、消化促進のためには陳皮と一緒に使うとよいです。

なつめ効能|気血を補い、心(精神)をゆるめる

なつめの薬膳効能は、補中益気・養血安神・健脾。
胃腸(脾)をやさしく整えながら、気と血を補い、さらに精神を安定させる、土台を整えるような働きが特徴です。具体的には、次のような不調に向いています。

・胃腸が弱く、食欲がない
・軟便や疲れやすさ(四肢無力)
・貧血気味・顔色が悪い
・不眠や不安感、気持ちの落ち込み

なつめは即効性のある刺激的な食材ではなく、「気づけば調子が整っている」というタイプの穏やかな滋養食のため、日々の食事や、おやつとして、取り入れることが、いちばんの薬になります。

なつめの品種|古代から続く“棘のある実”の物語

「棗」という漢字が示すように、もともとのなつめは、枝に2本の棘をもつ「ヤマナツメ」が原種とされています。中国の古典である『礼記』や『詩経』に登場する棗も、このヤマナツメを指していると考えられています。

さらに、本草綱目には次のような記述があります。
「棗木は赤心、棘有り。山東・山西のものは肥大で甘美、薬用に優れる」
このことから、特に中国の山東・山西で採れるものが、薬用として優れた「大棗(たいそう)」とされてきました。

また、近年では棘のない無刺棗(むしそう)も存在し、食べやすさや栽培のしやすさから広く流通しています。

なつめとデーツの違い|似ているけれど、まったく別の植物

見た目や甘さが似ていることから混同されがちな「なつめ」と「デーツ(ナツメヤシ)」。この2つはまったく異なる植物です。
 なつめ:クロウメモドキ科
 デーツ(ナツメヤシ):ヤシ科

左:なつめ/右デーツ

デーツは中近東原産で、古代メソポタミアやエジプト文明の時代から栽培されてきた、非常に歴史のある食材です。一方、なつめは中国を中心に発展し、薬膳や漢方の世界で重用されてきました。

体への働きにも違いがあるので、目的に応じて使い分けることで、その魅力がより引き立ちます。
 なつめ:胃腸を整える、気血を補う、精神安定
 デーツ:胃腸を整える、気血を補う、肺を潤す

中医営養学

クロウメモドキ科ナツメ属
甘/温
性味
脾、胃、心、肺
帰経
補中益気、養血安神、健脾
効能
疲労、不眠、精神不安
適応

本草綱目

生棗:甘辛/熱
大棗:乾:甘/平 安心腹邪気、安中、養脾気
久服:軽身延年

大棗(タイソウ・ナツメ)の美容効果

ナツメは今は世界中で栽培され400種類以上の品種があります。新芽が夏にならないと出ないのでナツメの名前が付けられました。

中国では黄河流域で古くから栽培され多くの品種が確認されています。生のナツメは甘酸っぱく中国では秋の果物として食用され、韓国では薬膳料理の参鶏湯(サムゲタン)にも使われいます。

秋になると果実は淡緑色から暗紅色に変わります。

大棗(タイソウ・ナツメ)

熟した果実を乾燥させたものが生薬の「大棗(タイソウ)」です。

乾燥なつめ

「一日に三個のナツメを食べれば生涯、若く見える」といわれ、世界3大美女の楊貴妃も好んで食べていたといわれています。
アンチエイジングを期待するなら、毎日少しずつ食べるとよいでしょう。養血の働きで肌、爪、髪に艶を与えてくれます。