2.冷ます

梅干し(ウメボシ)

薬膳効果
熱を冷まし渇きをおさめる

夏バテ防止に梅干しを

梅の強い酸味は抗菌に働くほか、唾液などの分泌を促し食欲を促します。中国名の白梅は梅干しのことで、梅の実は古くから酸味調理用として用いられてきました。

梅の加工

梅の用途は様々あり「白梅」の他には、塩漬けせずに乾かした「梅干」。塩と砂糖で漬け込んだ「青梅」、さらにこれを乾燥させた「話梅」、燻製にした生薬の「烏梅」などがある。

酸味と塩味の相乗効果

梅干しの塩分の清熱の働きに加え、梅はかなり酸味がある果実です。梅の酸味は引き締める働きが強く、肺では空咳を止め、腸では渋らせて下痢を止め、夏場の汗の出過ぎをとめ「収斂」の働きで機能をととのえます。

酸味が逆効果なとき

梅の酸味は唾液の分泌を促進し食欲を促すため病中病後に「お粥と梅干」を食べる時があります。

寒気を伴った節々の痛みがあるカゼの時は汗をかいて邪気を追い出して治すのが基本のため、梅の収斂作用が逆効果になります。この場合は生姜やネギなどの辛味の発散作用で汗を出して邪気を追い出します。
また気血のめぐりがよくない時も酸味をとると引き締められて流れが悪くなるので注意が必要です。

中医営養学

バラ科サクラ属
分量
酸渋/平
性味
肝、脾、肺、大腸
帰経
清熱寫火、利因生津、収渋
効能
喉の渇き、嘔吐、下痢、
適応

本草綱目

白梅:酸鹹/平 治中風 驚癇 喉痺。治寫痢煩渇。