花椒の薬膳効能・禁忌・使い方
中国料理には欠かせない「花椒(ホアジャオ)」は、舌がピリピリ痺れる独特の辛さと、強い芳香が特徴で、四川料理や火鍋などに使われます。
実の大きさと色によって、大椒、獅子頭、小椒に分けられ、実が熟すと赤い花が咲いたように見えることから花椒と呼ばれるようになりました。
中国山椒(花椒)と日本山椒の違い
中国名「花椒」は、ミカン科サンショウ属の植物(Zanthoxylum bungeanum)で、主にカボクサンショウの果皮が利用されます。サンショウ属には世界に約250種類があり、日本では日本原産の山椒(Zanthoxylum piperitum)が使われています。
花椒は、舌が痺れるような刺激とスパイシーな香りが特徴で、中華料理や辛い料理によく合います。一方、日本山椒は爽やかな香りがあり、和食の香りづけに適しています。
果皮(花椒)と種(椒目)効能の違い
花椒は熱性で辛味が強く、古くは酒の香り付けにも使用されてきましたが、後に肉の保存用や料理の香辛料とし常用されるようになりました。
また『神農本草経』にも記載され、古くから生薬としても利用されていますが、果皮は「花椒」、種は「椒目」と呼び区別されています。
花椒は胃腸を温め下痢を止める働きがあることから、冷えによって生じる月経痛、胃痛、腹痛、下痢がある時に用います。冷痛があるときは、花椒粥にすると、腹部を良く温めて、気血の巡りを促進させ痛みを緩和させます。
椒目は温性、辛味、苦味の働きと燥湿作用により体内の余分な湿気を排出し、むくみや倦怠感などを軽減させます。
妊婦、胃炎の人は注意が必要
花椒には血行を促進する作用があり、妊婦が大量に摂取すると流産のリスクがあるとされます。また、胃炎や胃潰瘍のある人は、辛味が強いため、胃に負担をかけることがあるため注意が必要です。
花椒は、体を温め、胃腸の調子を整える優れたスパイスですが、妊娠中や胃が弱い人は摂取量に注意が必要です。