6.補う

鶏肉(ニワトリニク・トリニク)

薬膳効果
虚弱の改善、老化予防

鶏肉薬膳効能|気血不足・貧血・老化に効く食べ方と組み合わせ

鶏肉は、身体を温め、弱った部分に手を差し伸べるような食材。薬膳の世界では、「足りないものを補う」ことに長け、確実に効く存在として扱われてきました。

鶏肉の薬膳効能とは

鶏肉は、薬膳において以下のような働きを持ちます。

温中益気
 胃腸を温め、消化機能を高め、エネルギー(気)を補う
補精填髄
 生命力の源である「精」を補い、体力・回復力・美容に働きかける
養肝益腎
 肝と腎を養い、血や老化に関わる不調を整える

鶏肉は、胃腸が弱っている人、疲れやすい人、貧血気味の人、老化が気になる人に向く食材で、とくに「気血不足」を補う作用が強く、食べることで、身体の土台をゆっくりと立て直します。

古典にみる鶏肉の使い方(体質別の養生)

古くから鶏肉は、体質や不調に応じて組み合わせを変えながら使われてきました。

気血不足・体力低下に

雌鶏の腹に、もち米・ナツメ・高麗人参・ゆり根などを詰めて煮込む滋養強壮食。
→ 身体を深く養い、疲労回復や虚弱体質の改善に。

脾胃の弱り・むくみに

雄鶏と小豆を合わせた「小豆煮鶏」。
→ 胃腸を整えながら余分な水分を排出し、むくみを軽減。

腎虚・老化のサインに

鶏を大量の酒で煮込む「酒煮鶏」。
→ 腎を補い、冷えや老化、足腰の弱りにアプローチ。

貧血・血虚に

鶏を煮込む際に、当帰(とうき)、黄耆(おうぎ)を加えたスープ。
→ 血を補い、巡りを良くし、顔色や疲れやすさを改善。

現代に活かす、鶏肉の薬膳的食べ方

古典のレシピは少しハードルが高く感じるかもしれません。けれど考え方は、とてもシンプルです。

■ 疲れているとき
→ 鶏肉+なつめ・山芋・卵で、気血を補い、回復力を底上げする

■ 胃腸が弱っているとき
→ 鶏肉+生姜・長ねぎで消化力を高める、温める。

■ むくみが気になるとき
→ 鶏肉+小豆・はとむぎで余分な水分を排出。

■ 美容・アンチエイジング
→ 鶏肉+黒ごま・クコの実で、精と血を補い、潤いを保つ。

中医営養学

キジ科ヤケイ属
甘/温
性味
脾、胃
帰経
温中益気、補精填髄、養肝益腎
効能
疲労、体力低下、食欲不振、産後の虚弱
適応

本草綱目

丹雄鶏肉:甘/微温 治崩中漏下、赤白沃、通神、殺悪毒
白雄鶏肉:酸/微温 療狂邪、安五臓、治傷中
鳥雄鶏肉:甘/微温 補中止痛、心腹の悪気、安胎
黒雌鶏肉:甘酸/温 羹食:風寒湿痺、安胎

鶏肉の部位別

手羽先、胸肉/デバサキ、ムネニク

甘/温 脾胃、温中益気、補精

肝/ニワトリカンゾウ・ニワトリレバー

鶏レバーはビタミンAが多く豚や牛に比べてクセは少ない。
適応:夜盲症、視力低下、インポテンツ
甘苦/温 肝腎脾 補益肝腎、補血明目。視力低下、貧血

血液/ニワトリケツエキ

鶏の血液には寄生虫がいるので十分な加熱が必要。中国料理に鶏の血スープがある。
鹹/平 肝胆肺 袪風、活血、通絡

砂肝/ニワトリスナギモ

鶏の砂肝は高たんぱく、低脂肪である。
適応:胃もたれ、消化不良、尿漏れ
甘/平 胃小腸膀胱 消食積滞、健脾益胃、固精止遺。胃もたれ、消化不良

腸/ニワトリチョウ

腸管は丁寧な洗浄と十分な加熱が必要。
甘/微寒 脾腎 止遺溺、治遺精、遺尿、小便白濁